テンカラ道具

テンカララインあれこれ

(2021年3月追記)テンカララインは色々ありますが、最近販売されているテンカラ竿はレベルライン用に開発された物が多いです。 昔のテンカラ竿は、レベルライン向けの竿でもテーパーラインと相性が良い物があったりと、比較的オールラウンダーでしたが、最近のテンカラ竿は、「専用設計」されていて、他の種類のラインだとあまりラインが伸びなかったりと、相性が悪い竿が多いです。 このページの内容については、テンカラ竿もそのラインに合った物を使っている事が前提ですので、あしからず。

テンカラ釣りに使うラインは何が良いのか

テンカラ釣りに使うラインは何が良いのか

テンカラ釣りに初めてチャレンジする人は、まずは市販のテーパーラインを購入する方がほとんどだと思います。釣行を重ねるうちに、「もう少し長いラインがあれば…」とか、「強風でもポイントにしっかり打ち込めるラインは?」等、自身で試行錯誤をして、テンカララインを改良していきます。

現在市販されているテンカララインには、複数本の糸を撚りあげて作られたテーパーライン、フロロカーボン単糸のテーパーラインとレベルライン、それとフライライン(バッキングラインを使っている方も)を流用したラインがありますが、それぞれ一長一短です。釣り場のシチュエーションに合わせて使い分けをしていくと良いでしょう。

より糸のテーパーラインの特徴

より糸のテーパーラインの特徴

テンカラを始めた時にまず使ったのがより糸のテーパーラインという方が多いのではないでしょうか。ラインの重さもある程度あり、テーパーと撚糸の効果で比較的毛鉤を打ち込みやすいラインですし、ラインの視認性が良いので、毛鉤を見失ってもどの辺りに飛んでいるのかわかりやすいです。また毛鉤にアクションを与える釣り方であれば、撚糸が若干伸縮するので竿の動きがラインに吸収され、毛鉤に伝わる力がソフトになるようです。

しかし、ブッシュの多い釣り場での使用はストレスが多くなります。ブッシュに毛鉤を引っ掛けた時に無理矢理引っ張ると、毛鉤が外れた(ハリスが切れた)瞬間にラインが撚れてしまい、最悪ハリスとラインがグシャグシャになり再起不能状態になる事も…

特に太目のラインで撚った手作りテーパーラインでは、撚糸の間にハリスが噛んでしまったりするので仕掛けの修復にストレスを感じます。

フロロカーボンレベルラインの特徴

フロロカーボンレベルラインの特徴

「レベルラインはキャスティングが難しい」と言われますが、テーパーラインで難なく振れるようになっていれば、それほど難しくはありません。若干毛鉤を打ち込むポイントの精度が下がりますが、慣れれば腕でカバーできるようになります。 レベルラインの長所といえば、なんといってもライントラブルの少なさ。特にブッシュの多い藪沢では威力を発揮します。夏場のクモの巣地獄でも、絡んだクモの巣は指でしごけば簡単に取れますし、引っかかった毛鉤を無理矢理引っ張ってもライントラブルは皆無です。またラインの長さも自由自在、予備のラインを作って持って行かなくても、現場でササッと作れてしまうのもレベルラインの強みです。

しかし、レベルラインにも弱点があります。市販のフロロカーボンラインをそのまま使うので、視認性が非常に悪いです。私はハリスの間に20cm程蛍光ラインをつないで、視認性を確保しています。それと仕掛け巻きに巻くとすぐに巻きグセが付いてしまいますが、使うときは両手でラインを思い切り引っ張ってあげると、すんなりと巻きグセは取れます。最近は蛍光色のフロロラインを見かけるようになってきたので、視認性はカバーできそうです。

2020/10/4追記

視認性・巻きクセを克服したレベルライン (株)フジノラインから発売されている「テンカラストレートライン」を試してみました。購入したのは2020年に発売された少し太めの「テンカラストレートラインパワフル」の10m巻き。藪沢用のラインにと購入してみました。 このライン、テンカラ大王こと石垣教授の監修です。材質はポリアレートという繊維。高強度・低吸水、優れた耐磨耗性などの特徴があり、魚網などに使われている素材のようです。 使ってみると、黄色いラインで視認性もよく、仕掛け巻きに巻いてあっても、巻きグセは全くなし。重さも適度にあり(比重はフロロとナイロンの中間だそうです)フロロのレベルラインの弱点を克服しているラインかなと思います。

ライン自体に重量もあり、毛鉤を飛ばしやすい事この上ありません。昔フライライン#3のダブルテーパーをカットして使ってみた事もありますが、ラインはかなり重めです。渓流ではほとんど使う事はありませんでしたが、テンカラでブラックバスを狙う時には重宝していました。ブラックバス用に#4フックで作った巨大エルクヘアカディスはさすがにレベルラインではまともなキャスティングが出来ませんでした。ラインの重量に対して、毛鉤の空気抵抗が大きすぎでした。さすがに重量のあるフライライン、巨大エルクヘアも難なく飛ばすことができます。

フライラインはライン自体が重いので、ラインの重さで毛鉤が引っ張られてしまったり、ロングラインで流心の向う側のポイントを狙う際には流れで毛鉤が引っ張られないように、メンディングをしたりする必要性が出る場合もあります。フライラインを使うのであれば、#1ラインやランニングラインの細い物が良いです。

2016/7/14追記

2016年5月にDaiwaからテンカラフライラインYというフライのランニングラインタイプのテンカララインが発売されています。私も子供用に試しに購入し、他のテンカララインとの重量の比較をしてみました。>>>テンカララインの重さを計ってみました

ラインの選択は釣り場に応じて

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最後にラインの選択についてですが、テーパーライン・レベルライン・フライラインはどれも一長一短。釣り場の状況&使う毛鉤に合わせて変えるのがベストです。

開けた河原であればどのラインでも構わないと思いますし、ブッシュ&クモの巣だらけの藪沢でしたら、撚糸のテーパーラインは避けた方が無難です。

毛鉤のタイプで選択する場合は、水面下で微妙なアクションをかけるスタイルであれば、撚糸のテーパーライン。ドライタイプをナチュラルドリフトで流すような場合であればレベルラインの方が良いような気がします。

テンカララインについて長々と書きましたが、上記の内容はあくまでも私個人の私見です。テンカラ釣りには決まったスタイルと言うものがありませんので、スタイルによっては正反対の意見もあるかと思いますので、参考程度にしていただければ幸いです。

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