キャンプの技
焚き火の起こし方
私が子供の頃(’70~’80年代)は、家の前で焚き火(たき火)を焚いて焼き芋を焼いて食べたりと身近な存在でしたが、今では、家の前で焚き火などもってのほか、最悪通報されてしまいます。焚き火は市街地に住む人にとって、非日常的な物になってしまいました。 そして家庭の台所もIH化が進み、ガスレンジさえも姿を消しつつある昨今。この先、火をコントロールする事を忘れた人間はどうなるのでしょうか?
焚き火は、キャンプに行った際の楽しみの一つというより、大部分を占めております。ですので、キャンプ場も直火の可能な所が好みなのですが、直火可能なサイトは極僅かで、寂しい限りです。 普段の生活で、火を扱う事が全く無くなってしまった今、子供達にも焚き火の魅力・火の怖さをしっかり教えていかなければいけないと思う、そんな私のキャンプでの焚火について記します。
薪の選び方
薪といえば、今やキャンプ場で買うのが当たり前になっておりますが、場所によっては森に入って折れた枝を拾ったり、河原に落ちている流木を集めて使うことができます。 個人的には、河原で拾う流木は燃えが悪いというイメージが強く、使うとしても細い物を使います。 基本的には森の中に落ちている枝を集めて使う事がほとんどです。
自分で薪を拾う際のポイント
- 河原で拾う流木は、掌で握りしめられる位の太さまでの物で、持ってみて軽い物
- 生木は燃えない物がほとんどなので、持ってみて重い物は集めない
- 杉の枝は、生木っぽくてもよく燃える
- 表面は濡れてても、持ってみて軽ければ中までしみてないので大丈夫
- 枝の太さは、手で握れるくらいまでの太さの物、あまり太すぎると燃え切らない
- 焚きつけ用に、燃えやすい細い枝を一定量は用意しましょう。いきなり太い薪は燃えません。
生木の見分け方
持ってみた時の重さで大体判断しておりますが、これは経験がないと難しいです。その他の見分け方は枝を折ろうとした時、しなってしまう物は生木です。折れるような太さでない場合は、ナイフなどで皮を削ってみて、判断します。 皮がまだ緑色を帯びていたら完全に生木です。
色々な焚き火の起こし方
キャンプ場でも火起こしに苦労しているキャンパーを時折見かける事がありますので、私の火起こし方法を紹介します。
スタンダードに新聞紙を使って火を起こす方法、種火から起こす方法は、燃えやすい小枝を準備して、燃えやすい物からだんだんと太い枝(薪)を燃やすようにするのがコツです。 急ぐ時などは、昔はバーベキュー用の着火剤なぞを使用したものですが、ガソリンバーナー&ランタンを使いだしてからは、その燃料のホワイトガソリンを使って炭でも焚き火でも起こしております。
新聞紙で焚き火を起こす
ノーマルな新聞紙を着火剤に使う火起こしです。 コツは、早く火床に熱源となるオキを作る事です。 新聞紙でも燃えるような小枝から燃やし、少しづつ太い枝を投入していきます。
- ①火床に燃えやすい小枝を敷きつめる。太さは鉛筆の太さ位まで
- ②新聞紙を1枚づつ丸めたものを2~3個乗せて火をつける。
- ③上に燃えやすい小枝を乗せる。最初はなるべく細い小枝をくべる。
- ④くべる枝を徐々に太くしていく。
- ⑤火床にオキが出来れば、火が安定します。
時間が無い時などの手軽な起こし方
昔、何かの雑誌に書いてあったのを見てやってみたのが最初ですが、これが何かと便利。ホワイトガスのバーナー&ランタンを使う人ならば、ホワイトガスは常に携帯していると思うので、着火剤いらずで便利です。 炭も同様の方法で簡単に着火できます。
『薪に直接ホワイトガソリンを掛ける』というやり方を思いつく方が多いとは思います。 その方法では、ガソリンだけ燃えてしまい、薪には火が付きません。 火が点かないので薪にガソリンを掛けるという行為は、非常に危険ですのでやめましょう。
- ①空缶をナイフで切って器を作ります。ナイフが切れなくなるので、どうでもよいナイフを缶切専用にして持っております。
- ②空缶にホワイトガソリンを50cc程注ぎます。
- ③火床にホワイトガソリンを入れた空缶を置きます。
- ④その上に焚き木をのせていきます。
- ⑤焚き木は生木でなければ、濡れてても大丈夫。太さもそれほど気にしない。
- ⑥少なくともこれ位は薪を乗せます。これで準備完了。
- ⑦その辺に落ちてる小枝を、ホワイトガソリンの入っている缶に差し込み、先端に ホワイトガソリンを付けます。
- ⑧ライターで小枝に火を付けます。
- ⑨ホワイトガソリンが付いているので、ポッと火が点きます。
- ⑩火の点いた小枝をホワイトガソリンの入った缶に入れて点火します。
- ⑪点火後、薪はあまり動かさないように!
- ⑫だんだんと薪が燃えていきます
- ⑬薪に完全に火が移るまで、放っておきます。 片付けの時、空缶の回収を忘れずに!
火種が残っていれば
前日の晩に焚き火をしていれば、翌朝まで火種が残っています。燃え残った炭を少しどかして手の平をかざして熱ければ、火種が残っています。火種さえあれば、着火は簡単。新聞紙を放りこんで薪を被せておけば、だいたい勝手に火がつきます。
- ①他のメンバーが前日遅くまで焚き火をしていたので、灰をどけると火種が残っていて、煙が出てきた。
- ②火種の上に、新聞紙を丸めた物を3個程乗せる。
- ③その上に、燃えやすい薪(細い枝)を乗せる。
- ④そのまま放っておく。
- ⑤しばらくすると、新聞紙がいぶり出し、煙が出てくる。
- ⑥煙がかなり出てきたところで、うちわか何かで火種をあおって、新聞紙に着火させる。
- ⑦炎が立ったら風を送るのをやめる。火が消えそうになったら、再び仰いで火種をあおる。
- ⑧火が薪についたら、少しづつ太い薪をくべていく。
- ⑨ここまで燃えれば、普通に薪をくべてOK。