テンカラ道具
タイイングに使うフック
毛鉤を自分でタイイングするようになると、サイズや色そして素材などを色々組み合わせて色々な毛鉤を巻きます。そして巻いた物を、実際に釣り場で試し、結果の出た物が「マイ毛鉤」となっていきます。 様々なマテリアルもさることながら、フック選びも悩みの種です。私はティムコのフライフックを使っていますが、ティムコのフライフックだけでも現在ラインナップされているのは39種類(渓流用)もあります。その中でテンカラ釣りの毛鉤に使えそうな(基本ほとんどの物が使えますが)スタンダードなタイプをピックアップして、軸の太さやシャンクの長さ、ゲイプ(懐)の幅の比較をしてみました。
初めて使ったフック
私も色々なタイプのフライフックを試してみました。最もポピュラーな「TMC100」や、ティムコで和式毛鉤のフックに推奨している軸太の「TMC3769」なども試してみたことがあります。「TMC3769」は滝壺の深部に潜む魚を狙う為に、沈みやすい軸太のフックをと思い購入し、試してみましたが・・・これらのフライフックは、現在タイイングBOXの肥しとなっております。
私も初めの頃は、雑誌などで有名な釣り人の使っているフックなどをある程度参考にし、実際にフライショップに行って自分なりに見た目で選んで購入していました。現在使っているフックは、パラシュート・エルクヘア・通常毛鉤用には「TMC102Y」を、逆さ毛鉤用には「TMC101」(ストレートアイ)を使っています。
どれを選べば良いのか?
かれこれテンカラ釣りを始めてそろそろ20年が経とうとしています。久々にティムコのフライフックのラインナップを見てみたら、「まぁ、色々と種類があるではありませんか!」、変わった形状のフライフックもあったりして、ちょっと気になります。
今ではフライフックといえば「ティムコ」ですが、その歴史を紐解いてみると1984年に発売が開始され、当初は4種類のラインナップだったようです。今では海用も合わせて全部で50種類もあるそうで、フライフィッシング用に様々な水生昆虫を模した形状のフックがリリースされています。
今回その中でも、テンカラ毛鉤にマッチするスタンダードなタイプに絞って、規格を一覧にしてみました。
ティムコフライフック(基本的な形状)一覧
品番 | 軸の太さ | シャンクの長さ | ゲイプ幅 |
---|---|---|---|
TMC112Y | 4X Fine | 2.5X Short | 2X Wide |
TMC531 | 2X Fine | 2X Short | |
TMC112TR | 1X Fine | 2.5X Short | 2X Wide |
TMC921 | 1X Fine | 2X Short | |
TMC102Y | 1X Fine | Wide gape | |
TMC101 | #8~18は1X Fine #20は0X~1X Strong | #8~18は1X~1.5X Wide gape #20~は1.5X Wide gape | |
TMC100 | #8~18は1X Fine #20は0X~1X Strong | #8~18は1X~1.5X Wide gape #20~は1.5X Wide gape | |
TMC9300 | 1X Heavy | Wide gape | |
TMC3769 | 2X Heavy | ||
TMC3761 | 2X Heavy | 1X Long |
軸の太さ「*X Fine」は*番手分軸が細い、「*X Heavy」は*番手分軸が太いという意味。シャンクの長さはハックルや胴を巻く直線部分の長さ「*X Short」は*番手分長さが短い、「*X Long」は*番手分長さが長いという意味。ゲイプ幅はフトコロの幅「*X Wide」は*番手分幅が広いという意味。
各製品の軸の太さ・シャンクの長さの相対関係
上記の各フックのスペックをグラフにしたのが上記のグラフとなります。右上にあればあるほど軽いフックとなり、ドライタイプ向きのフック、左下にあればあるほど重いフックとなり、沈めて使う毛鉤向きに理論上はなります。但し、ハックルやボディー材の巻く量で浮きやすさ沈みやすさは変わってきます。
テンカラ毛鉤に合うフックは?
こんな酷いフライでも、とりあえずは釣れます。
スージーのお気に入りは102Y
テンカラ釣りとはいっても、スタイルは釣り人によって様々。フライフィッシングほど型が決まっていないので、自己流で培ったノウハウを個々のテンカラ師が持っていると思って下さい。私のスタイルは早期から順に、極小毛鉤(#20~22)⇒逆さ毛鉤⇒普通毛鉤⇒パラシュート⇒エルクヘアというパターンで毛鉤を追加していきます。
基本的にフライパターンの毛鉤(エルクヘア&パラシュート)は軸が細身のTMC102Yを常用しています。数年前に軸のもっと細いTMC112Yが発売されましたが、まだフックの在庫が大量にあるので試していません。
逆さ毛鉤はストレートアイのTMC101を専ら愛用しています。ストレートアイを使う理由は頭に赤い球を巻くためです。逆さ毛鉤を軸の太いTMC3769で巻いた事もありますが、私の場合ハックルをパラリとしか巻かないので、太軸だと沈み過ぎるようで釣果はイマイチでした。ただし、軸が細いのが原因か時折針先が折れて無くなっている事があり、毛鉤を頻繁にチェックする必要があります。
ちなみに釣り仲間で、フライマンのボスは、「ドライは900BL、ニンフは3761BLが定番フック」だそうです。
スタンダードなテンカラ毛鉤を巻くのでしたら、まずはTMC102Y、TMC100、TMC9300の、12番~16番(102Yは奇数番手なので13番~17番)をチョイスして、自分のスタイルに合わせて他の物を試していくのが良いと思います。