テンカラ釣行レポート

2019年5月25日南会津釣行

4年ぶりの渓

ここ数年、夏の訪れが早く、足が遠のいてしまっていた渓への釣行。この渓に決まって5月の末に訪れるのは、雪代がちょうど治まり、毛鉤釣りはもってこいの水況という事と、日陰に残った残雪が消えた所から顔を出してきている山菜が目当てだからだ。

今年も春の訪れが早く、雪解けが早いかと心配していましたが、5月に入ってからは季節の進みもそれほど早くならず、奥地の檜枝岐の雪の消え方も平年並みでまだ水量が多めのよう。という事で、4年ぶりに南会津の渓への釣行となりました。

今回参加のメンバーは、いつものメンバープラス、前回に引き続きコースケが参戦で、4名(?)での釣行となりました。

この時期に鳴き声が響き渡る春ゼミ

金曜の夜に自宅を発ち、日が回った午前0時過ぎに目的地である南会津のとある渓に到着。お酒も軽めにして翌朝に備える。

朝6時に起床し、午前中はまずはベース横の沢を狙ってみることにし、準備を済ませコースケと二人ペアで入渓。

前回の大芦では、仕掛けを結ぶことすらできなかったので、家でロープを使って結び方の特訓をしたので、今日は自分で出来るだろうと思いきや、穂先とテーパーラインの結び方が解らないで、助けを求めてきた・・・早く独り立ちせぃ!

春ゼミの声が響き渡る渓を二人で溯って行く。管釣りと違い、藪沢ではブッシュとの闘いも加わり、一層難しい釣りになるので、ブッシュが邪魔にならないポイントのみをコースケに任せて釣りあがっていく。

使用毛鉤は、この季節の安定毛鉤のグリズリーパラシュートをコースケに使わせて、私はこの間巻いたゼンマイ胴の毛鉤を色々と試す。時おり流れの中を黒い影が走るのだが、毛鉤に反応する魚影は全く見えない。

毎年決まって岩魚が泳いでいる流れにも魚の姿は見当たらず、最後の最後にやっと一匹、底石の上手の中層の流れに定位している岩魚を発見。そーっと毛鉤を魚の定位している筋の上手に落としてみるが、水面上の毛鉤には全く反応してくれない。魚の動きを見てみると、水中を流れる獲物を捕食しているようだ。

それじゃあと、逆さ毛鉤に結び替え、鼻っ面に流してみるが、反応無し。七入の岩魚に評判のクロスオーストリッチも無視される。 通らずの滝までで午前中は終了。渓を上がって、山菜を採りながらベースに戻る。

秘密の場所に生えるネマガリタケ

ベースに戻るとボスの姿が見当たらない。もしや釣りに出たか?と思いきや、洗い物をしていたらしく沢から上がってきた。スージーはまだ戻ってきていなかったので、昼飯前に晩のつまみ用に、コースケを連れて秘密の場所へネマガリタケを取りに行く。伸びすぎながら、辛うじて10本程採取できました。

ベースに戻り、キンキンに冷やしたエビスで喉を潤していると、スージーも帰還。リリースサイズながら、5匹程岩魚を釣り上げたようだ。

8年前の苦労もどこへやら

8年ぶりの渓はかなり渓相が変わっていた

昼飯を食べ、一息ついたら午後はコースケと一緒に下流の本流へと行くことに。8年ぶりに入るのだが、8年前スージーを連れていった時、行程の大変さに「二度と行かない」と言っていた場所です。試しにスージーに「一緒に行く?」と訊いてみると、あまり記憶に残っていないのか、それとも岩魚を釣りたい思いが勝ったのか、一緒に行くことに。 腰の調子が相変わらずのボスは、拾い物の沢タビを履いていますが、本流はパスだそうです。

スージーと3人で林道を30分程下り、藪漕ぎで本流へ到着。8年も経つとかなり渓相が変わっていました。

美味しいポイント以外はパスして進む

午後からの入渓で、時間的にかなり厳しいので、ここではコースケと交代で竿を出すことにし、竿は1本。毛鉤はゼンマイ胴エルクヘアカディスの#15を結ぶ。スージーもエルクヘアカディスを使っているようだ。魚影の確認できるまではハイピッチで要所要所をたたいて溯る事にするが、入ってすぐに毛鉤にピシャっと魚がアタックしてきたので、スージーが粘りモードに入ってしまう。

何回かアタックしてくるものの、ヒットしないので、やっと諦めてくれ、ペースを上げて渓を溯る。魚の付いている場所はだいたい分かっているので、前半は主要なポイント以外は全てパス。後半に備えて先を急ぐ。

逆さ毛鉤をしっかりと咥えた岩魚

行程の後半に入るも、エルクヘアには反応が無かったので、毛鉤を逆さ毛鉤#14にチェンジ。暗い渓相で逆光のため毛鉤は全く見えない。自分のカンを頼りに毛鉤を打ち込み、流していたら空合わせで魚の手応え。サイズは6~7寸といったところ。やっと1匹目が出た。

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後続のスージーにも待望の1匹目。

Photo 2/2

暗い渓なので、魚体も黒め

その後も逆さ毛鉤でポイントを狙っていくが、後が続かない。少し離れて後をエルクヘアで叩いてきているスージーにも待望の1匹目。

時間的にも水面上を流れる獲物に反応してきているようなので、毛鉤をグリズリーパラシュート#17にチェンジ。

Photo 1/2

毛鉤を変えてすぐにきた

Photo 2/2

真っ黒な岩魚

緩い流れの流心に毛鉤を落として毛鉤を漂わせていると、小さな波紋と共に毛鉤が消えた。 合わせると、しっかりと魚の手応え。やはり水面上の釣りは、ワクワクです。

そろそろ岩魚の反応も良くなってきたので、ここからはコースケと交代でテンカラ竿を振る事にし、毛鉤も見やすい目立ちヘアカディスに結び替えて、コースケにバトンタッチ。

コースケも今シーズン初岩魚をゲット

午前中入った支流に比べると、ブッシュも少ないので、比較的ブッシュを気にせず打ち込みができる。コースケもだいぶキャスティングのコツが掴めてきたようで、すぐに1匹目の岩魚をゲット。その後も1匹釣ったら交代しながら釣りあがる。

おっと、スージーの事を忘れかけておりました。コースケと私それぞれ1匹追加したところで、先頭をスージーと交代。

久々のスージーとのツーショット

スージーと私、釣り上がるペースが違いすぎるため、ここ最近、スージーと一緒に渓に入る事はほとんど無く、別行動をしておりました。

この場所は、渓を脱出する場所が限られているので、タイムリミットまでにはそこまで行かないとアウト。そのため、前半は私のペースでついてきてもらいました。スージーのペースで入渓点から釣り上がると、この核心部までたどり着くことは不可能で、更に来た道を引き返すこととなってしまうからです。

スージーの後ろをついてしばらく行くと、私が美味しそうに思うポイントには目もくれず、本当に緩い流れを重点的に攻めています。

なので、緩い流れを見つけたらスージーに任せることにし、先頭を変わって釣り上がります。 しばらくは早い流れが続き、スージーの好きなポイントがあまりありません。

そうこうしている間に、脱出ポイントの通らずに辿り着きました。

今日は水量が少ないので突破できそうでしたが、時計を見るともう5時になろうかとしております。脱出時間も考えて、今日はこの淵を攻めて終了。 ここのポイントは奥に深いので、ここはフライのスージーに譲る事に。

Photo2/2

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ふと目を離したスキに、スージーが岩魚を掛けたようで、ジタバタしている。大物か?と思いきやスレ掛かりで、サイズは8寸ちょっとの良型岩魚。

岩魚を魚籠に入れてもらったら、毛鉤を乾かして再度ポイントを流すスージー。対岸の岩盤際を流したデカいエルクヘアカディスがプカプカと流れていく。 そして泡の立ったの巻き返しをかすめた時、フッとフライが姿を消した。

すかさずに合わせたスージー、岩魚とのやり取りを楽しんでいたが、途中で痛恨のバラシ!同じポイントで2匹出ました。 毛鉤はエルクヘアカディス。相変わらずボンバーカディスを使っておりました。スージーのボンバーカディスは、パッと見12番くらいの大きさがありましたが、フックサイズは#15だそう・・・。 その後も3匹目を狙って粘りましたが、残念ながらそれ以降は反応無しで納竿となりました。

写真では斜面のキツさはわかりませんが・・・

ザックに竿を詰めたら、スージーが最も恐れていた渓からの脱出にとりかかります。

念のため、コースケ用にザイルを用意してきましたが、コースケは平然と私についてきます。後続にスージーがいるので、石を下に転がさないように細心の注意を払い、20分程で渓を脱出。

渓から上がって、肩で息をしているスージーは「私とコースケは並みの体力ではない」と言っているが、スージーの体力が無さすぎなのです! 最後に「来年も来る?」と訊いてみると、「8年後にまた来ます」だそうです。

スノピの焚き火台でイワナを焼き枯らす

ベースに戻るとボスが沢タビを脱いでいた。「ちょっと竿を振ってみた」とは言っていたが・・・真相は不明。

ボスに焚き火を起こしてもらい、コースケにイワナの処理を頼む。魚籠を開けて数えてみると、午後の釣果は3人で8匹。もう一声釣りたかった~

私は夕飯の支度にとりかかる。先月の釣行で食べたメニューをスージーがご所望したので、今晩もスキレットで作るビフテキ&パエリア。

ボスもスージーも大満足でした。

今回の釣果

状況:平水

午前
釣果  私:    > ボウズ
   使用毛鉤:色々
 スージー: > チビ岩魚 ×5匹
   使用毛鉤: エルクヘアカディス#15
午後
釣果  私:    > 岩魚20cm 3匹
 コースケ: > 岩魚20cm 2匹
   使用毛鉤: 目立ちヘアカディス#15
         ゼンマイ胴逆さ毛鉤#14
         グリズリーパラシュート#15
   スージー: > 岩魚20cm ×2 25cm ×1
   使用毛鉤: エルクヘアカディス#15
 ボス:   > 不明