テンカラ釣行レポート

– 2010/4/28 – 大芦川釣行

毎年恒例の4月末の大芦川釣行を今年も敢行。今回は私山本と、缶チューハイ1本で爆死する通称”スージー”、 そして”釣りバカ”黒鵜氏の3名での一泊飲んだくれ釣行です。(毎回そうですが・・・)

前日の23日夜21:45に山本家に集合。

仕事帰りに近所のスーパーで買い出しを済ませ、自宅にもどって準備をしていると、何と遅刻常習者のスージーが一番に到着。到着するなりすかさず携帯を取り出し、まだ来ていない黒鵜氏に「黒鵜さん~まだですかぁ~。早く来て下さいょ~」と電話。昨日から4月とは思えない冷たい雨が降り、週末も晴れはするものの朝晩の気温が低いという予報もあり一抹の不安に反し、スージーはやる気満々。冷たい小雨の中、予定時刻通りに出発する事ができました。

暗闇に浮かぶテント

首都高・東北道とも車の量も少なく、スムーズに鹿沼ICに到着。途中のコンビニに、スージー用のお酒”梅ッシュ”と、遊漁券を仕入れようと寄ったが、”梅ッシュ”が置いてなく、チョーヤの梅酒のミニミニ瓶と、スクリュードライバーで妥協し、無事24:00過ぎに目的地へ到着した。 到着するなり、きびきびとテントを設営。いつもだと、雨対策にタープを張るのだが、今回は気温が低いので雨が降ったら外での宴会は厳しいと判断し、テントのみの設営だったので到着後直ちに設営完了!。テントの中で明日の豊漁を祈って乾杯!!。仕事の愚痴をこぼしつつ酒を交わし、夜は更けていった。

朝のコーヒーは、やはり淹れたてに限る!

朝6:30過ぎに寝袋から這い出すと、やはりいつものごとく黒鵜氏は、山を見てたそがれていた。キャンプ道具の中からバーナーを探していると、スージーもテントから這い出して来た。 う~ん、やはりやる気満々。いつもなら、コーヒーを淹れ終わったタイミングを見計らったように起きてくるスージーが・・・今日は何かが違う・・・。愛用のコールマンのシングルバーナーを出し、ポンピング。あれ?ポンプがスカスカ…、オイルを垂らしてしばらく様子を見て みるが、やはりスカスカ、ちゃんとメンテナンスしているのに…。オプティマスのストーブは持ってこなかったので、予備のEPIのガスパーナーを出して使う。

釣り仲間の黒鵜氏とスージー
今回同行したメンバー 右がへなちょこフライマンのスージー、左が黒鵜氏

コーヒーを飲み、奥さんお手製のBigおにぎりを頬張り、そそくさと身支度を整えベースの前の川で竿を振ってみる。一昨日からの雨のせいか、水量が例年より多い。淵も砂で埋もれて浅くなってしまっており、ヤマメの姿が見えない。何度か毛バリを流すと、ピシャンとヤマメが出た。合わせを入れると、10cmにも満たないが、綺麗なヤマメが姿を現した。その周りの筋にも毛バリを落とすが、反応するのはチビヤマメばかり、振り返るとスージー達も準備が整ったようだ。スージー&黒鵜氏と、私と、二手に分かれて午前中はこの上の堰堤の前後を探ることにした。

最初に出たヤマメ
最初に釣り上げたヤマメ ちょっと小さめだが魚体は綺麗だ

二人は、ベースから堰堤までを探り、私は堰堤上流へ行く。堰堤上の杉木立から河原に降りる。目の前には緩い浅場がいつもと変わらずゆったりと流れていた。特別放流の直後などには 流れの中に魚の姿が見られる事もあるが、今回は姿も見えず毛バリを流しても反応はなかった。竿を振りながら300m程先の川が直角に曲がったぶっつけの淵で、ゆるやかな流れの深場からヤマメがピシャンと踊り出た。合わせると、まあまあの手ごたえ。手にとると、20cmちょっとの綺麗なヤマメ。とりあえず、家のお土産にと魚籠に入れる。続けて流してみるが、1回ピシャンと出てそれっきり・・・足を進める。

しばらくは浅い瀬が続くが、反応なし。水温8度、今年は4月に入っても寒い日が多かったのでまだヤマメも瀬に出ていないのか?いつもなら、瀬の筋でヤマメが出るが今日は緩い流れでしか魚が出ていない。瀬をたたくのは程ほどに、淵の深場・はき出しをメインに流していく。 淵の巻き込みの緩い流れの深場でヤマメを発見。毛バリを打ち込むが、手前の流れにラインが掛かって引かれてしまう。うまく流れないので、毛バリを引いて誘う。何度か毛バリを追っては来るものの、途中でUターン、う~ん厳しい!

11時頃、橋をくぐった先の通らずまで進み、2匹の釣果。戻りながらヤマメを確認したポイントで、毛バリをパラシュートに変え流してみると、2・3回ピシャッと出てあとは反応なしの完全威嚇モード。ドライフライにはスレてしまっている。

堰堤上から下流を望む
画面では確認出来ないが、遠くに二人を確認した

堰堤まで戻って、堰堤上から二人の姿を探してみる。遥か彼方に釣り人二人を発見、まだあんな所??やはりスージー、かなりのスローペース。この前新調したデジカメで二人をキャッチ!X48倍ズームの威力を発揮、でも画像が悪い・・・。もう少し上まで上がってくるまでの間、デジカメの機能を試すため手当たり次第にシャッターを押す。30分程してから、もういいころあいだろうと堰堤の上から二人を探す・・・ほとんど動いていない・・・しばらく堰堤の上に立ち待っていると、私の思いを察したのかペースが上がった、と思ったら腕で×のジェスチャー。どうやら溯上不能のようだ、あきらめてベースに戻る。二人も川通しで降りて来た。

二人の姿を確認
10年前に購入した先代のデジカメとはポテンシャルが違う! X48倍で、二人の姿を確認。

ベースに戻ると、魚籠・竿を置き、まずはビール!クーラーボックスから缶ビールを取り出し、イスに座って「プシューッ」。だからキャンプはやめられません。普段は昼間っから飲めないからね。昼飯のラーメンを作りながら1本、ラーメンを食べながら1本。もっと飲みたいけど、午後の釣りに支障をきたすので我慢。ん、黒鵜氏の歩き方がおかしい!、まるで「腰の曲がったおじいちゃん」状態。持病の腰痛が悪化したようだ・・・

ベースに到着
お昼はいつもこんな感じでのんびりと・・・

ラーメンを食べ、いい気持で釣りに出発。黒鵜氏は、腰痛悪化の為ベース周りを釣ることになり、スージーと二人で上流に向かう。午前中釣りをした場所の更に上まで道を歩き、降りれる場所を探して入渓する。踏み跡を辿り、川に降りた所から仕掛けをセットし釣りを開始。

午前中の状況から、緩い流れを逆さ毛バリで重点的に攻める。早々に1匹目が水面下で毛バリを咥えた。後ろでフライを結び直しているスージーに、ジェスチャーで伝える。引き続き毛バリを打ち込み、流していると竿に感触が伝わる。合わせてみると、スレ掛かりで2匹目、これは今日は良い釣果が出るかもしれない。

スージーのロッドさばき
スージーは真剣にヤマメを狙っているつもりだが・・・

スージーも準備が整い、スージー先行で次のポイントを狙わせる。フライ歴3年(?)のスージー、フライをシュートするが、手前の急流にラインが浸かり、流れるフライにドラグがバリバリ掛かり、どう見てもそれじゃダメなのだが、本人はフライが見えていないので全く気付いていない。昼飯の時、「今日はドライじゃダメだよ」と話したので、スージーは、私が昔あげた逆さ毛バリをセットしていた。スージーは、日ごろドライフライ専門なので、フライが見えない釣り方の経験が全くなく、フライの流れ方を見てドラグがかかっているかどうかを判断しているようなので、フライが見えないと何処をどう流れているのかわからないらしい。

とりあえず交互に釣り上がって行くが、流れが強すぎてポイントがあまりないのと、ここぞというポイントにもヤマメの気配がなくスージーもフライをエルクヘアに変えたり、逆さ毛バリに戻したりと、ドツボ状態・・・。そのままタイムアップの時間となり、スージー無念の”NoFish!”。竿をたたんで遡行する。

道路にすぐに上がれる所まで、確かもうすぐだった記憶があるがなかなか辿り着かない。途中、程良い傾斜の斜面を見つけたのでこれくらいならスージーでも大丈夫だろうと、斜面を登って道路に上がる事にした。途中、若干足場の悪い所もあったが、大した苦もなく上の道路に出た。スージーも続いて上がってきたが、息が上がっている。開口一番「死ぬかと思いましたよ!」、やはりスージーにはこういう釣りは無理か・・・上がった所に、沢から水を引いたホースがあり、そこで喉を潤してからベースに戻った。スージー、もう少し修行(体力&フライテク)して来なさい!

ベースに戻ると、まずはビール!黒鵜氏は川でウェーダ―を洗ってベースに戻ってきた。黒鵜氏は、ベース周りで1匹ゲット。パラシュートで執念の1匹。活かしてキープしていたのを、頼んで山本家のお土産に追加で、お土産はヤマメ5匹!一息ついて、着替える。気温がかなり下がってきた、空は快晴、今晩は冷えそうなので防寒仕様の装備に着替える。まずは、焚き火の準備。スージーと、黒鵜氏がベースの周りを歩いて薪を物色。私は焚き火台をセットし、その辺に落ちている杉の枝と葉で火起こし。やはり、杉は火の付きが良い!新聞紙一枚であっという間に火起こし完了。

火起こし完了
釣りを終えて、お楽しみの夜の部が始まる

辺りがうす暗くなってきたので、照明の準備。コールマンのガソリンランタンを出す。ポンピング、お前もか…バーナーに続けてランタンまでも…、ちゃんとメンテしているのに! こういう時の為に、予備は必ず持っています。ガスカートリッジが高いのであまり使いたくはないのだが、背に腹は代えられずEPIのランタン出動!

さて、火も起きたし今夜のメニューの準備にとりかかる。

枝豆・キムチをつまみつつ、今日の釣り談義に華を咲かせる。鍋の材料を鍋に放り込む。豆腐、長ネギ、白菜、キムチ、そしてシメジ…シメジを入れた時点で、スージーが無言になった。そしてひとこと「そんなに細かくして入れないで下さいよ~」。そう、周知のとおり(メンバーの間では)スージーは大のキノコ嫌い。そして辛い物も苦手らしい…なのにどうしてキムチ鍋を所望したの?せっかくスージーのリクエストに応えて体温まるキムチ鍋にしたのに… 摩訶不思議なスージーの話が一番の酒の肴となった。

キムチ鍋を作る
キャンプと言えば「男の料理」というが、面倒だから適当に作るだけ

買ってきたビール1ケースが無くなり、日本酒を開ける。まだ、料理は出来ていないのに…キムチ鍋にはビールでしょう、でも鍋が出来上がる前にビールは底をつき、渋々日本酒でキムチ鍋をつつく。仕上げにうどんで締めて、焚き火を囲んでまったりとした時間を過ごす。

焚き火を囲んで闇夜を楽しむ
焚き火を見つめているとなんだか落ち着くんだよね

やはり、キャンプといえば「焚き火」そして大人のひととき「葉巻」。焚き火を囲んで二人は酒を交わす。下戸のスージーは子供のごとく火遊びを始める。私が一言「火遊びするとおねしょするぞ!」。私が子供の頃、よく言われた言葉だ。家族でキャンプに行ってもやはり焚き火は定番で、子供たちは必ず火遊びをする。焚き火の中に、木の枝を入れて火を付けてその枝を振り回したり、焚き火にその辺に生えている草の葉っぱをちぎって入れたり…必ずといってもいい程、子供は焚き火を焚くと、こういう火遊びをする。ふと、スージーの行動が子供の火遊びと重なって、つい口にした言葉だが、翌日思わぬ結果となる。

闇夜に浮かぶ月
この日は、綺麗な月夜だった。翌朝は放射冷却でペットボトルの水が凍っていた

夜も更け、気温もかなり下がってきた。月が煌々と山々を照らしている、雲ひとつない快晴だ。明日の朝はかなり冷え込みそうな雰囲気で、そろそろ寝る時間かなと思っていたら、口火を切ったのはスージーだった。時限装置のスイッチであるアルコールの梅酒を開け、チビチビと飲みだした。スージーは必ずといって良い程、酒を飲むと30分で意識を失うという特技の持ち主だ。(だから酒の肴になる)今回は梅酒を飲み終わると、そそくさとテントに消えていった。いつもなら、「大丈夫ですょお~」と言いながらイスに座ったまま堕ちるのだが…やはり今回のスージーは何かが違う。

冷え込みも強くなってきたし、「そろそろ私も」と、黒鵜氏を置き去りにして寝袋に潜り込んで眠りについた…

翌朝、テントのチャックを開ける音で目が覚める、まだ5時位か?起きたのは黒鵜氏。いつも朝早く起きて焚き火を起こしてくれる。まだ早いので眠りに就く…しばらくしてまたチャックの音。スージーだ、「珍しい事もあるもんだ」と思いつつ、もうひと眠り…。私も6:30過ぎに、ぬくぬくの寝袋から抜け出して起床、やはり冷え込んでいる。

最後の朝のひととき
朝のひととき、黒鵜氏が残り少ない時間を惜しみつつ山を満喫している。

コーヒーを入れ、昨日の残りのキムチ鍋に更にうどんを追加して、火にかける。コーヒーを飲みながら、珍しく早起きのスージーに、「珍しく今日は早起きじゃん、どうしたの?」と聞いたところ、黒鵜氏が「緊急事態がおきたらしい」と一言。それからスージーが口を開いた。 どうやら「おねしょ」をしそうになったようだ。夢のなかで、仕事中外交先で誰かと話しをしていたらしい。そこで急にトイレに行きたくなり、カーナビでトイレを探し、トイレのある公園を見つけて駆け込んだそうだ、気付くと女子トイレで慌てて男子の方に行き、ドアを開けると、またドアがあり…それを何回か繰り返しやっとの事で便器に辿りついたそうだ。そして、やっと小便をしようとした時、「ん???」と夢の中から現実に戻り急いでテントから出て小便をしたという話を聞いてやはり、「焚き火」と「おねしょ」には関係があるじゃないのかな?とつくづく思いつつ、昨日の残りのキムチ鍋うどんをたいらげ、後片付けをし、早々に帰路についた。

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