テンカラ雑記

2019年4月山菜取り – in 会津美里

ゼンマイの綿を求めて

一昨年、ゼンマイを採った時に持ち帰ったゼンマイの綿毛で毛鉤を試しに巻いて、2シーズン使ってみたところ、程々の結果が出ました。試しのつもりで少量しか持ち帰らなかったので、先シーズンで使い果たしてしまったので、ゼンマイの綿毛を調達するため、4月の終わりの大芦釣行を見送り、会津の従兄のところへ山菜取りへとやってきました。

伸び始めたワラビ
伸び始めたワラビ

当初の予定では5月におじゃまするはずでしたが、従兄から「今年も出るの早そうだぞ」と一報を受け、急きょ大芦を楽しみにしていたスージーに頭を下げ、スケジュールを変更しての山菜取り。朝3時起きで下道を走る事5時間。冷たい風が吹き、時おり冷たい雨が降るあいにくの天気。従兄の家に到着して、一息ついたら早速裏山へワラビ採りへ。

収穫したワラビ
小一時間でこれだけ採れました

去年もGW後半に来たのですが、コゴミもコシアブラも開き切り、ワラビは先客に採られた後でほんの少しの収穫でした。期待をしながら山を登り、ワラビの生える斜面で、ワラビを探します。場所によってかなり成長が違うようで、始めは出始めの小さなワラビしか見当たりませんでしたが、日当たりの良い場所では食べ頃ワラビがニョキニョキと生えておりました。

コシアブラ

ワラビを採り終えたら、帰りがてら林に入りコシアブラ探し。例年コシアブラシーズンに間に合わなかったのですが、今年は早く訪れたおかげで、ギリギリセーフ。日当たりの悪い場所にはまだ葉が開いていない極上のコシアブラも残っておりました。

会津に来たらやっぱりラーメンが食べたい

会津坂下の雪花食堂。ラーメンの写真を撮り忘れてしまいまいた。

山を下りたら、昼食タイム。
会津に来たらラーメンです♪ラーメンと言うと喜多方が思い浮かびますが、坂下・高田界隈には美味しいラーメンが食べられる食堂が多くあります。午後も山菜採りに行くので、今回は、そのままの恰好で行ける坂下の町中の食堂「雪花」へと連れて行ってもらいました。

私はラーメンの大盛り、従兄は ラーメンと半チャーハンを注文。出てきた大盛りはしっかり麺2玉分の大盛りで食べ応え十分。従兄の頼んだチャーハンも味見させてもらいましたが、癖になる味です。「安い・旨い・多い」3拍子揃った雪花食堂さんです。

収穫したコゴミ

美味しいラーメンを食べたら、午後は腹ごなしにコゴミ採り。GWということもあり、途中の川沿いにはコゴミ採りの人影がチラホラ見える。軽トラで荒れた林道を進んでいくといつもの場所に到着。
時おり強く降ってくる冷たい雨に耐えながら、開いたコゴミの周りを丹念に探します。残念ながら、先客に先を越され、巻きの良いコゴミはあまり見つかりません。お土産用に巻きの良いコゴミのみを選んで何とかお土産を確保できました。

ふと気が付くと、従兄の姿が見当たりません。耳を澄ませると、山の上の方から声が聞こえます。
急な斜面を仰ぎ見ると、足場の悪い斜面にへばりついて従兄が何やら採っています。ゼンマイが生えていたようで、しばらく採って降りてくると、両手で一握り程のゼンマイが採れていました。

綿毛をかぶったゼンマイ
これがゼンマイの綿。毛鉤釣りの毛鉤の胴に使う。

ゼンマイが確保出来て一安心。早速家に戻ったら、納屋でゼンマイの下処理にとりかかります。
ゼンマイは急な山の斜面に生えていて、採るのも大変ですが、採ってから干しゼンマイに仕上げるまでの作業も非常に手間が掛かります。更に綿を丁寧に取る作業も加わり、一本一本丁寧に綿を取り除き、葉を取って軸のみにしていきます。

ゼンマイから採れた綿毛
ゼンマイから採れた綿毛

1時間半程かけて、下処理完了。
お目当てのゼンマイの綿もこれだけ確保できました。これだけあれば毛鉤巻きにしばらく使えます。
お湯を沸かしてゼンマイを茹で、新聞紙に広げて本日の作業完了です。

熊出没注意

乾燥中のゼンマイ
朝起きると、広げてあったゼンマイが揉んで丸められていた

昨晩は採ってきた山菜を肴にたらふく食べ、1年ぶりのフカフカの布団で寝たおかげで、いつもは朝早く起きるのだが、気づくと7時を回っていた。
今日は朝から気合を入れてゼンマイ採り。会津の美味いご飯をおかわりしまくる。昨日採ってきたワラビの味噌汁に、昨日の残りのエラ汁と、ガソリン満タン。
昨日と打って変わって、天気も上々。絶好の山日和です。

軽トラで山の奥地へ
従兄が運転席から取り出したのは・・・

着替えをして、外で準備をしていると、町の防災無線で放送が流れた。
高田の東尾岐地区で、クマに2人が襲われたようだ。この集落のすぐ上でも熊の出没情報があるようで、従兄はしっかりと熊よけの花火を準備しておりました。
軽トラで従兄の所有するゼンマイ山へ。農道を少し走り、集落外れの林道へと入っていきます。

クマよけの花火
「動物駆逐用煙火」なる花火

途中、倒木に道を阻まれる事3回。ノコギリを持って来なかった事を後悔しつつ、二人がかりで巨大な倒木を沢筋に落とし、林道に覆いかぶさった倒木は上に持ち上げてギリギリで軽トラを通過させて、無事ゼンマイ山の入口に到着。
軽トラを降りたら、早速熊よけ花火にライターで着火、しようとしたが、準備してあったライターが不調で点火出来ず。私がタバコを吸うので、難無きを得たが・・・
導火線に火をつけると、けたたましい爆発音が3発、山間に鳴り響いた。

ゼンマイ山へと向かう
ゼンマイ山へ出発

一昨年来た時は、腰カゴのみしか持たずに入り、カゴが一杯になって採りきれずに悔しい思いをしたので、今回はしょいかごも持ってきました。
林道脇の沢を渡り、小沢へと足を踏み入れると、すぐに斜面に生えるゼンマイが。
滑りやすい急斜面を、ササを掴みながら慎重に登って、ゼンマイを採っていきます。

急斜面に生えるゼンマイ
急斜面に生えるゼンマイ

下の方はひょろひょろした細いゼンマイでしたが、上がっていくに従いだんだんと太いゼンマイになってきました。沢沿いの急な斜面に四本の手足を駆使してへばりつきながら、足場の悪い斜面に生えるゼンマイを採っていきます。ゼンマイを採る時は片手を使えるように足場をしっかり確保して、掴んでいる木の枝を離して片手で採らなければいけません。
油断をしたら、沢筋へと真っ逆さまで大けがになります。一人で入るにはちょっと危険なゼンマイ採りです。

2時間程でしょいかごも一杯
2時間程でしょいカゴも一杯に

先客が採った跡も見られましたが、入った時期がまだ早かったのでしょう。上に登るにつれてゼンマイも太く立派なものが多くなり、私と従兄のしょいカゴはゼンマイで一杯になりました。
これだけ採れれば、1年分の量は確保できたでしょう。
子供の頃からGWに会津に遊びに来ると、軒先にゼンマイが干されて、おばあちゃんが揉んでいたのを思い出します。昔から、春になると山に入ってゼンマイを採り、干しゼンマイにして保存してお盆や正月の料理に使っているのです。

ゼンマイの天日干し
採ってきたゼンマイを天日に干す

おじさんもおばさんも年を取り、山菜を採りに行く事ができないそうです。なので今は従兄が年に1回、山に入るそうです。その年に食べる分だけのゼンマイを採り、干しゼンマイにして保存しておくそうです。
従兄一人で山に入るのは心配なので、これからもシーズンには予定をあけて、毎年ゼンマイ採りに来ようかと思っています。

山間の田んぼの中にポツンと建つ洲走の湯

採ってきたゼンマイを茹で上げ、干し終わって一息つくと、時間は3時を回っていた。ゼンマイ採りは1日仕事です。
干しゼンマイ作りの詳細は、干しゼンマイ作りをご覧ください。
今晩は、会津のそば打ち名人が打った蕎麦をごちそうしてくれるとの事で、頼んだ蕎麦を取りに行きつつ、その蕎麦打ち名人が行く度に従兄に「いい湯だから入って行け~」と言っている洲走の湯(すばしりのゆ)へと汗を流しに行ってみる事にしました。

須走の湯
洲走の湯の玄関

建物に入ると昔の造りの、ひなびた湯治場という雰囲気。宿の主に入浴料の400円を払って、浴場へ。
脱衣所に入ると、中からにぎやかなしゃべり声が聞こえ、服を脱いで入ると年配の方が二人、湯浴みをしていた。従兄が話しかけると、埼玉から来たとの事で、70年ぶりにこの温泉にやってきたとの事です。この町の出身だそうで、子供の頃によく来ていたという話をしていました。この湯は肌に良いという事です。
ぬるめのお湯でしたが、すごく温まるお湯です。話を聞きながらずっと入っていたら、若干のぼせ気味になってしまいました。

加藤そば道場の蕎麦
細く切られた蕎麦

温泉から出たら、温泉から目と鼻の先にある集落へと車を進め、とある家の駐車場へと車を止める。母屋の裏の作業小屋の入口に小さな字で「加藤そば道場」と書いてあった。この蕎麦打ち名人は、会津一円の蕎麦打ち職人の中でも名人と言われているそうで、お弟子さんがたくさんいるそうです。
本人が忙しい時には、お弟子さんが代わりに蕎麦を打つそうで、弟子の中でも上手下手があるらしく、蕎麦の仕上がりにもばらつきがあるとの事。

試しに揚げたゼンマイの天ぷら

蕎麦が茹であがるのを楽しみにしながら、馬刺し、レバ刺しをつまんで一杯やっていく。蕎麦用の山菜の天ぷらが出来上がったその中に、従兄が試しに揚げたゼンマイの天ぷらが・・・
「試しに食べてみろ」と小皿に取り分けられたが、結果は見えているので私は辞退。従兄が一口食べると、結果通りでした。現在の食文化は先人の知恵の積み重ねです。
飛露喜の飲み口の良さにペースが上がり、更におじさん秘蔵の焼酎を注がれ、飲み進めていたら、いつのまにやら堕ちてしまっていたようで、「蕎麦出来たよ~」の声で起こされるが、まともに立っていられないような状態で、蕎麦をふたすすりしてそのままダウン。
蕎麦打ち名人の蕎麦をしっかり味わうことが出来ずに、終わってしまいました・・・残念無念。

山菜は地元の人の大切な宝です

最後に、今回山菜取りに入山した山は、所有者の許可を頂いて山菜を採取しています。地域によっては、山菜は生活の糧だったりします。
ですので趣味で楽しむ方は、その日に食べる分のみ採取しましょう。

また、ここ近年は人里近くの山で熊の被害が相次いでいます。地域の人には具体的なクマ出没情報が伝わっていますが、よそ者には分かりません。山菜を採りに山に入る際は、細心の注意が必要です。

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